2020年3月の絵本

【1つぶのおこめ】

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・「さんすうのむかしばなしー1つぶのおこめ」という表紙のタイトルと金に彩られたインド風の挿絵が印象的な絵本です。インドのある地方に住むケチで意地悪な王さまと賢い娘ラーニの知恵と勇気のお話。王さまからほうびに貰ったのはたった1粒の米。これを毎日前の日の倍のお米をもらうことにしました。さて、30日経つとお米は何粒になったのでしょうか?インドの細密画を取り入れコンピューターを駆使して描かれています。左右に広がる大パノラマのページは圧巻です。

 

 

 ・作・絵:デミ

・訳:さくまゆみこ

・出版社/光村教育図書 2009年9月30日発行

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・インドの細密画に惹かれて手に取った絵本でしたが、金の色をこんなにも贅沢に使っている絵本が他に浮かびません。そしていつの世も現れる身勝手な王様を知恵でこらしめるストーリーは痛快でした。それにしても2の累乗がこんなにすごい数字になるなんてビックリでした。日々増えていくお米の描写が面白くて、そして30日目のお米の数を表す見開きのページは圧巻でした!あ~子どもにも大人にも見てほしいなぁこの絵本!

【エミリー】

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 ・わたしの家のむかいの黄色い家に20年近くも外に出ていない”なぞの女性”が妹とすんでいる。街の人たちは、見知らぬ人が声を掛けるとたちまちどこかに隠れてしまうので、頭がおかしいのだとウワサします。この”なぞの女性”はアメリカの偉大な詩人エミリー・ディキンソン。この絵本は、エミリー・ディキンソンと少女の出会いを美しく格調高く描いています。1993年コルデコット賞受賞作品。

 

 

 ・作:マイケル・ビダード 絵:バーバラ・クーニー

・訳:掛川恭子

・出版社/ほるぷ出版 1993年発行

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

絵本というより1本の名映画を観終わったような満たされた読後感でした。時間をかけてゆっくりページを眺めたくなる繊細で美しいバーバラ・クーニーの絵。静かに流れるようなストーリーにいつの間にか身を委ね 不思議な体験をしたようでした。少女とエミリーの秘密のプレゼントのやり取りのシーンは、臨場感があってドキドキしました。「個性」とは?そんなことも深く考えてみたくなる絵本です。

おかあさんとお子さんの3月の絵本

【スイミー】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・ちいさな赤い魚の兄弟たちのなかに1匹だけ真っ黒な魚「スイミー」がいました。ある日大きな魚に仲間の魚が食べられた。1匹だけ残った「スイミー」は広い海の世界を見ながら「いろいろ考えた。うんと考えた。」そして・・・。小学校の教科書で誰もが出会うと言っても過言ではない絵本です。色んな時々に読み継がれてきた絵本を開いてみてください。きっとその時々に必要なメッセージが受け取れるかもしれません。

 

・作:レオ・レオニ・訳:谷川俊太郎

 出版社/好学社 1986年8月発行

 


*めめさんの心のつぶやき*

・人生の中で大きな試練や難問にぶち当たることがあります。いま、まさに世界中が困惑しています。でもきっと、人間の知恵と勇気でこの状況を乗り越えることができると私は信じています。私に何ができるかな?そんなことを考えていたら「スイミー」の絵本を思い出しました。怖いものに立ち向かう勇気と知恵!仲間との連携。それぞれの持ち場を自覚すること!沢山のメッセージを受け取りました。いま日本の広範囲に渡って子どもたちは自宅待機を余儀なくされています。家にいる時間が大人も子どもも増えました。この時間に何ができるだろう?与えられた時間をどう使うか?大人の考え方が大きく影響します。どんな状況下でも笑っていられる大人の心の体力が必要ですね!

 

【だいくとおにろく】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 ・川に橋をかけようとする大工とその川に住む鬼のユーモラスなやり取り。民話の語り口調と日本の伝統的な美しい赤羽末吉の絵は、子どもたちだけではなく大人の心にも満足を届けます。「さぁ めだまぁよこせっ」の鬼の言葉に子どもたちはどんな反応を見せるのかな?

 

 ・再話:松居 直・絵:赤羽 末吉

出版社/福音館・21967年2月日発行


*めめさんの心のつぶやき*

・再話とは・・・一般的には昔話や伝説、世界の名作文学などを子ども向けに分かりやすく書き直したものと言われますが、松居直さんが書き下ろした語り口調には無駄な言葉がなくスッと日本民話の世界に入っていけます。普段耳慣れない言葉も民話のリズムや「もってこばぁ ええなぁ」なんてという言葉の面白さを子どもたちは直ぐにキャッチしてクスクス笑います。どんな時代にも難問奇問がありますね。大工と鬼の知恵比くらべ!でも難問を前にして大工の大らかさをみるとこれでいいの~?と思ってしまうのですが、知恵と勇気そして時には運!も大事なんですね。どんな時も子どもの前では、大人が大らかに構えていられたら子どもたちの不安が薄らぎますね。。こんな絵本あるよ~って、お子さんと是非、読んで欲しいです。

みんなのおすすめコーナー

【すばらしい みんな】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・2018年3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、全国で約1000人の絵本セラピストさんの中から、私が毎月1名の絵本セラピストの仲間に1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

24回目のゲストは、北海道千歳市在住の絵本セラピスト®「やよいちゃん」大和弥生さんです。

 

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【すばらしい みんな・What a Wonderful World]】

 ・世界はどうしてすばらしいの?お馴染みの名曲ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World♪」の歌詞をアーサー・ビナードが日本語で訳しています。ワクワクいっぱいの少年の冒険の旅が、ティム・ホプグットの鮮やかな色彩の絵にのせて歌いやすい言葉で紡がれ表現されています。

 

 

・絵:ティム・ホプグット・作:ボブ・シール&ジョージ・デヴィッド・ワイス

・訳:アーサー・ビナード

・出版社:岩崎書店

 

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 < やよいちゃんから・・・>

・私のお誕生日月でもある3月の柔らかな春の陽射しは、いろんな色を美しく見せてくれて、わくわくするから大好きです。世界的に大変な時期を迎えている今だからこそワールドワイドな素敵な世界を音楽と色と言葉で感じられるこの絵本を開いてみてください。そして自己免疫力をアップしてくださいね。


◆やよいちゃん(大和弥生さん)の紹介

 ・絵本セラピスト協会認定ー絵本セラピスト®SK4期

・千歳市在住・千歳市の保育園・家庭内保育室で、子どもたちと一緒に過ごして20年。今は、音楽講師をしながら生徒さんや講師仲間とのボランティア演奏を楽しんでいます。

 

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*めめさんの心のつぶやき*

  1. 今月の絵本セラピストは、北海道千歳市在住の3月生まれのやよいちゃんこと大和弥生さんです!私のやよいちゃんの印象はズバリ!「可愛い声と笑顔」です。やよいちゃんとお話すると本当に世界中の子どもたちと音楽が大好きなんだなってことが伝わってきます。なので今月のやよいちゃんからのおススメの絵本は、まさにやよいちゃんが選んだ!!1冊という感じです。今、世界中に心を痛めることが広がっていますが、この先の希望の光となる1っ冊の絵本「すばらしい みんな」を是非、手に取ってみてくださいね。
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