2018年9月の絵本

【あさになったのでまどをあけますよ】

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・新しい一日を迎えるために窓をあける子どもたち。なにげない日々の繰り返し、その中にある生きる喜びを描いた絵本。この作品は、東北出身の著者:新井良二さんが東北震災後に自分は何ができるだろうかと探して描いた絵本と言われています。一枚一枚がまさに絵画を見ているようです。窓を開けると色々な風景が見えます。あなたの街はどの風景かな?

 

 作・絵:新井良二/偕成社

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・2018年9月6日午前3時8分、大きい揺れが4回!札幌は震度6弱を記録しました。「胆振東部地震」と名づけられました。余震が起こる度に鳥肌が立ち、停電の暗闇の中、また揺れるかもしれない!という恐怖と明け方まで戦いました。時計の針が4時を回り、静かに夜がゆっくりと明けてきました。助かった!という安堵感と生れて始めて震度6弱を経験したことのショックでリビングに座りっぱなしでした。それからしばらくして、窓を開けて空を見上げた時にこの絵本を思い出しました。毎朝なにげなくカーテンを明けて空を見上げていたことが、こんなにも有難く愛おしく感じるとは思ってもいませんでした。私は震災後、機会があれば、目の前にいる人たちにこの絵本の読み語りさせて頂いています。「朝になったので窓をあけますよ。わたしはやっぱりここがすき」「朝になったので窓をあけますよ。きみのまちは晴れているかな?」明日も明後日もその次の朝も・・・穏やかに新しい一日が始まりますように・・・・。

 

【きょうはそらにまるいつき】

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 ・夕暮れの公園で、乳母車の中から赤ちゃんが空を見ています。東の空からまんまるな月がのぼってきました。バレエの練習から帰る女の子や新しい運動靴を買った男の子も・・・。街に暮らす人たちも・・・。ふと見上げた空にまるい月をみつけます。それぞれの人が暮らす、それぞれの場所に優しい光がふりそそぎます。

 

 

作:絵:新井良二/偕成社

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・ふと見上げた夜空に、まあるいお月さまが見えた時、あなたはなんて思うでしょうか?私は、ちょっと得をした気持ちになります。お月さまが今日も一日頑張ったね!と言ってくれているようで、帰り道々何度も見上げてしまいます。この作品の夜の風景は、まあるい月が街や山や海を明るく照らしてくれていて、それぞれの場所でそれぞれの暮らしている人や動物たちを優しく包み込んでいます。みんな同じ月を見上げて嬉しそうです。著者の新井良二さんの「きょうはそらにまるいつき・ごほうびのようなおつきさま」という言葉が心に残ります。
9/6午前3時8分・胆振東部地震の後、全道が一斉に停電になりました。街全体が真っ暗な闇に包まれました。でも実は、この日の夜には、とても美しいまあるい月が輝いていたそうです。私は怖くて鳥肌が立ち、ブルブルといつまでも震えながら愛犬を抱いて座り込んでいたので、窓の外を見る余裕がありませんでした。でも地震の後、ふとなにげなく夜空を見た人は、「とっても綺麗な月が出ていたよ。」「救われた気持ちになったよ」と話してくれました。ふと、夜空を見上げる、そんな何気ない日常の時間の中に、明日への希望と感謝の気持ちが湧いてくる1冊です。優しい黄色のまあるい月を見るとホッとします。

お母さんとお子さん向け 9月の絵本

【あしたもね】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・友だちといっしょに遊んでいたくて、あしたが待ちきれないブタのブーくん。日が暮れてもなかなかみんなと「さよなら」できません。そこでブーくんが思いついたこととは?子どもらしい発想に思わずクスッと笑っちゃいます

 

作:武鹿悦子・絵:たしろちさと/岩崎書店

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・「あしたもね」題名に惹かれてこの絵本を開きました。大好きなお友達と遊んでいても、必ず帰らなくてはならない時間がきますね。あしたもあさっても遊べるのに 「帰りたくない!」「別れたくない!」というブーくんの表情に私の娘たちの幼い頃が重なります。動物の子どもたちの会話から子どもなりに考えていることが沢山あるんだな~って、ほのぼのとする作品です。ぜひ、お子さんとこの絵本を読みあいながら、お子さんの大好きなお友達の話も沢山きいてあげてくださいね。 「あしたもね!」いい言葉ですね💛

【おつきさまこっちむいて】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 ・「おつきさま、こっちむいて!」いろんな形の月といろんな場所で出会います。あっちを向てる三日月さんが、だんだん姿を変えて、やがてまんまるの満月になりました。「ねぇお月さま どうしてずっーとついてくるの?」子どもの素直な感性がちりばめられていて、大人も素直な気持ちになれる2006年から長く読み継がれている作品です。

 

文:片山令子・絵:片山健 /福音館書店


*めめさんの心のつぶやき*

 

・私は、秋のお月見には必ず、子どもたちとススキとお団子とくだものをお供えをして、リビングの大きな出窓からお月さまを眺めてお喋りを楽しんでいました。お月さまの話になると子どもたちは夢中で、どんどん空想の世界に行ってしまいます。私はどこかでこれはお話の世界‼と思いながらも、子どもたちの世界に必死についていっていたことを思い出しました。この作品のぼくは細い月をみると「お月さまおなかすいてるの?」とか電線の上にお月さまをみつけると「綱渡りだね」と月に語り掛けます。「どうしてお月さまは、ずっとついてくるの?」って、うちの子どもたちもよく言っていたっけ。秋の夜長は、家族で空を見上げるのもいいですね💛


みんなのおすすめコーナー

【おかあさんだもの】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、まもなく全国で約1000人の絵本セラピストが誕生すると聞いていますが、私が毎月1名のすでに絵本セラピストとして 活動している仲間に 1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

7回目のゲストは、岩見沢市在住の絵本セラピスト®恵ちゃんこと伊藤恵さんです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【おかあさんだもの】

*絵本の紹介*

初めての子育ては、悩むことが多いものですが、わが子が生まれた日を思い出すとまた明日から頑張ろうと思えます。この絵本はお母さんだけのためではなく、こんな想いで自分を産んでくれたこと、家族を産んでくれたことに気づき、自分、家族、命の繋がりそして未来を考えるきっかけとなる絵本です。

 

作:サトシン・絵:松成真理子/アリス館

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <めぐみちゃんから・・・>

我が家の娘が母となる日。私も出産に立ち会いました。娘は本当によく頑張り、元気な女の子が産まれました。娘が母に、私がおばあちゃんになれた瞬間でした。そして命の繋がりを実感した日でもありました。次の日、娘に読んであげた絵本が「おかあさんだもの」です。ないてうまれたあなただから いっぱいこれからいっしょにわらおうね・・・・娘と私にとって想い出の絵本です。

 


◆恵ちゃんの紹介◆

*伊藤恵さん*

・北海道・岩見沢市在住

 ・絵本セラピスト協会認定ー絵本セラピスト®

 ・ベビーマッサージ ティチャー

・魔法の質問キッズインストラクター

・Virtues project ファシリテーター

・写真整理アドバイザー

 

幼稚園教諭・幼児教室講師を経て1992年から公文式学習塾指導者になり、現在に至ります。その傍ら、訪問介護、産前産後ヘルプにも携わっています。2014年に絵本セラピスト🄬になり素敵な方たちとの出会いに恵まれました。目指すは、スーザンバーレイ作「わすれられないおくりもの」のアナグマさんです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


*めめさんの心のつぶやき*

・今回の絵本セラピストさんは、北海道岩見沢市在住の絵本セラピスト伊藤恵さん(めぐみちゃん)です!めぐみちゃんは、長年子どもたちの教育の現場に携わってきた筋金入りの子ども好き!!そしてフットワークの軽さは、北海道メンバーの中でも5本の指に入ってしまいます。(絵本セラピストにはフットワークが軽い人が多すぎ('◇')ゞ)とにかく勉強家です!私はめぐみちゃんの子どもを想う目線から選ぶ絵本が大好きなんです。めぐみちゃんが読んでくれたのがきっかけで購入した絵本がいくつもあります。さぁ今月の、めぐみちゃんオススメの絵本「おかあさんだもの」を是非手に取ってみてくださいね。
めめさんの絵本の部屋の先月の絵本はこちら
前月の絵本はこちら

ご紹介した絵本は、こちらのえほんやさんで購入できます。

〒006-0808

札幌市手稲区新発寒6条5丁目14-3

☎&FAX 011-695-2120

営業日:金、土、日、月、祝日   営業時間10:00~19:00