2018年8月の絵本

【なつのいちにち】

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・暑い暑い夏の日。子どもの頃に体感したあの夏が蘇ってきます。目に眩しいほどの日差し、青い草の匂い、響き渡る蝉の声。大きな麦わら帽子をかぶって少年が一心不乱に走っていく先にあるものは?夢中になって遊んだ記憶が重なる人も多いでしょう。ぜひこの夏手に取ってください。

 

 作・絵:はたこうしろう 偕成社・

 

 

 

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・表紙を開けると青い空に入道雲!もう見返しから暑い夏が始まります。ページをめくる度に遠い夏、子どもの頃に夢中になって遊んだことを思い出します。はたこうしろうさんの描く視点の角度が面白い!真っ黒な牛が目の前に現れたり、少年の足元ものカエルが跳び跳ねたり躍動感溢れる場面展開に圧倒されます。最後に少年が何度も何度も木に飛びついてクワガタムシを捕まえるシーンは手に力が入りました。私は、この絵本を読むたびに子どもたちには、思いっきり何か夢中になる経験をさせてあげたいなぁと思います。

【あの坂へいそげ】

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 ・これは実際に作者が15歳の時に北海道南西沖地震で九死に一生を得た津波の経験を元に描かれている絵本です。この絵本で一人でも多くの人に読み語り、手渡して「生と死は背中合わせ」「命の大切さ」「命だけは落とさない体制を作っておくこと」を語り継いで行きたいそうです。

 

 

作:三浦浩・絵:高橋毅  ・文芸社

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・数年前に著者の三浦浩さんにご縁を頂き、実際に津波の体験談を聞く機会がありました。1993年の北海道南西沖地震の時に奥尻島で津波で被災したお話は生々しくて、日頃あまり自分のこととして捉え切れていない私は衝撃を受けました。昨今、日本中が自然災害に見舞われています。日頃から何か対策を考えたり準備しておかなければいざという時には間に合わないと思いました。この絵本を手に取って家族で今一度、地震や津波について話し合うきっかけにしてほしいと思います。

お母さんとお子さん向け 8月の絵本

【すいかくんがね】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・夏のすかわりです!ひょひょいのひょい!っと棒をかわすすいかくん!「みんなへただなあ~」なんて余裕です。。。でも忍び寄る影が・・・じりじりじりっと。

さぁすいかくんはどうなるかな?読んでのお楽しみ(≧▽≦)

 

作・絵:とよたかずひこ  ・童心社

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・暦は8月!もう今年はスイカを食べましたか?「すいかわり」懐かしいですね。私はこの絵本を読んで、熱い海の浜辺で目隠しをしてジリジリっとスカイに近づきエイッと叩いたら砂でした~(>_<)なかなか割れなくて悔しい思いをした幼いあの日が蘇りました(笑) 体験したことって、ちゃんと自分の引き出しにしまっているんですね。絵本は、大人になった私たちの懐かしい引き出しをそっと開けてくれます・・・。さぁ~子どもたちにこの夏はいろんな体験をさせてあげてください。たくさんの引き出しを作ってあげてくださいね。

【こんとあき】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 ・「こん」は、おばあちゃんが孫の「あき」のために作ったきつねのぬいぐるみ。ある日こんのほころびをおばあちゃんに直してもらうために二人で列車に乗って旅に出ます。次から次へとハプニングが起きますが、「こん」はおばあちゃんに「あき」を守るようにお願いされていたので、体を張って「あき」を守ります。二人は、無事にちゃんとおばあちゃんのところにたどりつけるかな?

 

作・絵:林明子  ・福音館書店


*めめさんの心のつぶやき*

 

7月19日~29日まで松屋銀座の8階で「絵本のひきだし 林明子原画展」が開催されました。私はたまたまタイミング良く訪れることができました。デビュー作から最新作「ひよこさん」まで200点以上の原画やスケッチが並んでいました。明子さん自作の「こん」も飾られていたんですよ~!生の「こん」との初の対面でした!でも、もう「こん」は随分くたびれていました~随分活躍してくれたんだろうなぁ~ご苦労様ですと声を掛けてきました(≧▽≦) 絵本に登場する子どもたちはみんな、姪っ子や甥っ子さんがモデルだそうです。明子さんが描く子ども達は、息づかいや体温まで感じられるくらい伸びやかで、プクプクした手やほっぺたの感触を思い出すという方が多いですよね。この絵本を知っている人は多いと思いますが、細かいところに明子さんのユーモアがたくさん隠れているので、今一度絵をゆっくり楽しんでみてください☆彡


みんなのおすすめコーナー

【ふでばこのなかのキルル】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、まもなく全国で約1000人の絵本セラピストが誕生すると聞いていますが、私が毎月1名のすでに絵本セラピストとして 活動している仲間に 1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

6回目のゲストは、東京都在住の絵本セラピスト®のんちゃんこと青山宜子さんです。

 

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【ふでばこのなかのキルル】

*絵本の紹介*

おじいちゃんの筆箱の中から出てきたのは・・・赤い目で時々小さな火を吹くへんてこな生き物。ぼくはキルルと名付けて仲良しになります。キルルは昔、おじいちゃんの願いを叶えて眠りについた竜でした。その時の約束は50年経ったら思い出すこと。やがておじいちゃんの涙の珠を抱えて、キルルは夜空へ帰っていきます。100年経ってもキルルがぼくのことを忘れませんようにー小さな竜とぼくの心温まるふれあいと別れの物語。

 

作・絵:松成真理子/白泉社

 

 

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 <のんちゃんから・・・>

キルルのつぶらな目、ユーモラスなしぐさ、ぼくの優しい心の動きや豊かな表情は魅力に溢れ癒されます。キルルとの約束を忘れていたおじいちゃんも憎めません。そしてぼくの手のひらからキルルの言葉が伝わってくる場面では自然と胸が熱くなります。どんな言葉だったのでしょうね。私はいろんな人に考えを聞いて楽しんでいます。いつかわたしもキルルに出会えることを夢見ながら♪

 

 


◆のんちゃんの紹介◆

*青山宜子さん*

・東京都出身・東京都在住

 ・絵本セラピスト協会認定ー絵本セラピスト®

 ・大人に絵本ひろめ隊ー隊長

・大人が楽しむ絵本セラピー®「こころのごちそう」主催

 

「働く人を元気にしたい」という思いから主に企業で働く方々の

相談業務に携わり、近年は学生の支援も行う。カウンセリング実績は13年間で1万人以上。2014年1月~2015年3月、絵本セラピスト養成講座の協力講師。昭和女子大学社会人メンター、日本メンタルヘルス協会心理カウンセラー。絵本のチカラを借りた「こころのごちそう」は大人が元気でいつづけるために大切な癒しや参加者同士の温かな交流の場として、都内を中心に様々な場所で開催中。

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*めめさんの心のつぶやき*

・今回の絵本セラピストさんは、東京都在住の絵本セラピスト青山宜子さん(のんちゃん)です!のんちゃんとの出会いはもう5年以上前になります。物腰が柔らかく言葉遣いが優しくてそして知的で・・・絵本を読む声はカナリヤのようなんです💛時々お互いに絵本セラピーのプログラムの交換や絵本の情報交換もしています。のんちゃんは心理カウンセラーのお仕事をされていて、以前は絵本セラピスト養成講座の協力講師もされていました。のんちゃんの「心のごちそう」という絵本セラピーは毎回満員御礼になる人気ぶりで、私も一度は参加してみたいと思っています。さぁ今月の、のんちゃんオススメの絵本「ふでばこのなかのキルル」を是非手に取ってみてくださいね。
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