2018年7月の絵本

【はまなすのおかのきたきつね】

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・北海道に遅い春が訪れました。はまなすの花が咲いている丘のふもとに、きたきつねの親子が住んでいました。初夏の北海道は動物たちの子育ての季節。野生の動物の生存の厳しさと、あたたかい親子の絆の物語です。

 

 作・画:手島圭三郎/ 絵本塾出版

 

 

 

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・北海道紋別出身の木版画絵本作家:手島圭三郎さんは「絵本にっぽん賞」を受賞しています。北海道の自然や生き物を通して生命の営みを力強く描いています。木版画の線はしなやかで且つ大胆で力強いので生き物の毛並みや自然の厳しさが臨場感あふれるタッチで絵が描かれています。キタキツネ親子の戯れる姿や八月になると赤い実をつけるハマナスの花が美しく描かれているのが印象的です。北海道民だけではなく日本全国に広めていきたい木版画の素晴らしい絵本です。

【夏がきた】

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 ・「ことしもあえたなつのおと」目が覚めると元気なセミの声。窓際の風鈴、海開き、青い空、白い雲、豊かな自然が残る四国の夏。いいえ、日本の夏の風物詩がみごとに描かれています。

 

作・絵:羽尻利門 /あすなろ書房

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・この作品は、私が今年出会った夏の絵本の中で一押しです!羽尻利門さんは、ご自身が住んでいる四国の豊かな自然と日常の生活の中にある夏の一コマ一コマを丁寧に描いています。私は、セミの声、風鈴、夕立の音、子どもたちの吐息に「音」を感じ、夏の心地よい風や日差しの強さに心がわきたつ瞬間を感じた遠い昔のあの日を懐かしく思い出しました。一人でも多くの大人の心に届けたいこの夏の1冊です。

お母さんとお子さん向け 7月の絵本

【なつのおとずれ】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・気象予報士のかたつむりが「梅雨明けはもうすくでしょう」と伝えました。すると太陽が「そろそろみんなに知らせますか」と立ち上がりました。するとメロンにスイカ、セミ、カブトムシ、かきごおり、せんぷうき・・・と夏の風物詩が勢揃い!!な、なんと流しそうめんのすべり台が・・・・!

 

作・絵:かがくいひろし  ・PHP研究所

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・「夏」と言えば?この絵本のページをめくるとそこはもう夏の風物詩が勢ぞろい!!梅雨が明けてみんなが一気に走り出す。夏の勢いが迫ってきて、こうしちゃおられない!夏の準備をしなくちゃ‼という気持ちにさせられます。みんな可愛い目があって、擬人化していて憎めないキャラに変身しています。流しそうめんで一気に夏になるところが、かがくいひろしさんのユーモアのセンスが溢れていて是非、親子で楽しんでほしいい1冊です。

【みてみて!】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 ・「みてみて!」子どもたちは面白いものを見つけた時に必ずそう言います。森でたくさんの「面白いものを」を見つけた子どもたちの手と物で見せる写真絵本です。

子どもたちの手の表情から発見の驚きと喜びが伝わってきます。谷川俊太郎さんの言葉によってより深く写真を味わうことができます。

 

ことば:谷川俊太郎

写真:小西貴士   ・福音館書店

 


*めめさんの心のつぶやき*

 ・「みてみて!」のタイトルに惹かれました。子どもたちは、本当に発見が大好きです。そしてすぐそばにいる誰かに伝えたくなるんですね。きれいな花や蝶もミミズやあおむし、くも、サワガニ・・・時には死んだ小動物やへびの抜殻・・・。親の苦手なものも平気でつかんで持ってくることがあります。ここで大人はひるんじゃいけませんよ~!「これなんだろうね~」と、言えたらあなたはエライ!子どもの発見や喜びを大人の概念や価値観でつぶさないでほしいです。

 

・・7月上旬に札幌市子育て支援センター主催の家族向け講座でこの絵本を紹介させて頂きました。「親の好き嫌いだけで子どもに伝える幅を狭くしないで、時には親の価値観を横に置いてバランスよく色々な世界を見せてあげられるといいですね。」とお話させていただきました。この講座の後に「私は虫が苦手です。でも子どもの視野は狭くしたくないので本に限らずいろいろなものを子どもに見せていこうと思いました」とお話してくださったお母さんがいました。私の思いが伝わってうれしかったです。

今日も子どもたちの「みてみて!」が聞こえてきます!お子さんと一緒にう~んと夏を楽しんでくださいね。


みんなのおすすめコーナー

【っぽい】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、まもなく全国で約1000人の絵本セラピストが誕生すると聞いていますが、私が毎月1名のすでに絵本セラピストとして 活動している仲間に 1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

5回目のゲストは、大阪在住の絵本セラピスト®チャコちゃんこと太田久子さんです。

 

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【っぽい】

*絵本の紹介*

絵を描くことが大好きなラモンは、自分が描いた絵を笑われてから、思いのままに絵を描けなくなり、ついには絵を描くことをやめてしまう。けれど、そんなラモンの絵を「ちゃんと 花びんっぽい絵だよ。花びんの気持ちがする」から好きだといってくれる妹の言葉で、自分の思うまま、自由に「っぽい」絵や文が描けるようになる。

 

作・絵:ピーター・レイノルズ/訳:なかがわひちろ/主婦の友社

 

 

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 <チャコちゃんから・・>

「何をやっても中途半端。自分には何も得意なことがない」と自己肯定感の低かった私。でも世の中、全てのことに正解や完璧を求めなくてもいいこと、自分らしく「っぽい」を味わい楽しんでいいと 気づかせてもらえた絵本です。

 

 


◆チャコちゃんの紹介◆

*太田久子さん*

・東京生まれ・大阪府茨木市在住

 ・絵本セラピスト協会認定ー絵本セラピスト®

 ・大人に絵本ひろめ隊ー隊長

・絵本ユニット・ターコイズの一員

・日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー

 

「受け取り上手は幸せ上手」をキャッチフレーズに「大人のための絵本セラピー」絵本の講座を大阪・東京・各地にて開催。

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*めめさんの心のつぶやき*

・今回の絵本セラピストさんは、大阪在住の絵本セラピスト太田久子さん(チャコちゃん)です!チャコちゃんとの出会いは2012年になります。明るくて楽しくてそして美味しいものを沢山知っている((笑))私の憧れの先輩です💛。チャコちゃんは大人に絵本ひろめ隊の隊長でもありますが、東京と大阪在住の絵本セラピストさんと三人で「ターコイズ」というユニットを結成して絵本セラピーを開催しています。毎回満員御礼になる人気ぶりで、私もいつか参加してみたいと思っています。さぁ今月の、チャコちゃんオススメの絵本「っぽい」を是非、手に取ってみてくださいね。
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