2018年6月の絵本

【ベンのトランペット】

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・貧しい黒人の少年ベンは毎晩とジャズクラブから流れる音色を聞いてはペットの吹く真似をしていた。友達には馬鹿にされるが、ある日憧れのトランペッターがこう言います。「クラブへこいよ」「いっしょに やってみようじゃねぇか」

モノクロの絵がジャズの世界へ誘います。1979年度コルデコット賞次席作品

 

 

 

作:R.イザドラ  訳:谷川俊太郎 ・あかね書房

 


*めめさんの心のつぶやき*

・子どもの頃に夢中になったことは何ですか?ベンのように家族にあまり関心を持たれなくても友達に笑われても夢中になれるものを見つけた子どもは幸せだなぁと思うのです。そして憧れの大人から実際に手ほどきを受けることができたならその子の人生はもう最高でしょうね。この絵本は5月の連休に京都へ行ったときに京都の市内にある「子どもの本専門店メリーゴーランド」の店長”鈴木潤さん”にすすめて頂いた絵本です。そして私は早速5月16日に北海道後志管内の養護教員の研修会でこの絵本を読みました。「子どもにとってどんな大人と出会うか!」これは養護教員の方々に限らず、私たち大人が常に意識していなければならいことかもしれません。

【わっしょい わっしょい ぶんぶんぶん】

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 ・みんなしあわせで たいへんよい おくにがありました。とてもおんがくが だいすきな おくにだったんです。。。。ところが、みんながあまりに楽しくおんがくをやるのを うらやましく思ったアクマが楽器をみんなぬすんでしまいました。

ぬすまれって困ったおくにの人々は みんなで考え工夫します。でもその度にアクマにぬすまれて・・・みんながっかり。そんな時、ひとりの子どもが提案したことはなんでしょう?コレならだれにもぬすまれないゾ!

 

人や動物・虫も鳥も道具も!地球上のあらとあらゆる物が描かれているかのようです。あとがきを見ると「登場人物の数は1094人・動物は465匹・道具が294個」描かれているそうです。

 

 

作・絵:かこさとし  ・偕成社

 


*めめさんの心のつぶやき*

・今月の2日・・・2018年5月2日に92歳で亡くなられた加古里子さん。「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」など数々の作品で知られる絵本作家で児童文化研究家・でもあった。軍国少年だった自らへの悔いが背景にあったとういうことです。戦災にあった地域の子どもに見せていた自作の紙芝居が福音館書店の編集者だった松居直さんの目にとまり、59年に絵本「だむのおじさんたち」でデビューしました。紙芝居や一般書を含めた作品は700点を超えます。
・かこさんの絵本は「だるまちゃんシリーズ」など有名な絵本が沢山ありますが「わっしょい わっしょい ぶんぶんぶん」は、かこさんご自身に「記念碑的な作品」と言われていました。作品中の人物が1094人。そのひとつひとつの顔に今まで出会った子どもや大人、そしてこれからこの作品を見て下される方々の顔を考えて描き続けたと言っていたそうです。
私は、この絵本のページをめくる度に 戦後から昭和の良き時代の日本人のエネルギーを感じてわくわくしてきます。
今の時代だからこそ、もう一度大人が この絵本に出会い、何が大切なのか何を忘れているのか考えてほしいと思うのです。
加古里子さんのご冥福をお祈りいたします。。。

お母さんとお子さん向け 6月の絵本

【かえるくんのおさんぽ】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・きょうはいいお天気。かえるくんはおとうさんにもらったお気に入りのボールをもってさんぽにでかけます。よそ見をしているうちにうっかりボールを穴の中におっことしてしまいました!あわてて穴の中にはいると・・・ボールがたくさんあります。「ぼくのボールはどれだ???」かえるくんは一番手前のボールをもって穴からとびだしました。おさんぽを続けるうちにアッ!ボールがバリンとわれちゃった!

さぁて、なにが飛び出したかは読んでのお楽しみです!

 

視覚伝達デザイン学科を卒業されている きもとももこさんの色使いがとっても鮮やかで画風も印象的です。

 

作・絵:きもとももこ ・福音館書店

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・6月と言えば・・・雨・梅雨?北海道は梅雨がない!と聞きますが近年雨の日が多くなっているような気がします。雨の日はやっぱりお家にいることが多くなりますね。そんな時にこの絵本のページをめくるだけで楽しくなってしまいます!かえるくんの持っていたボールがパリンと割れるんです!なんといっても子どもはハラハラドキドキする絵本が大好きなんです。 「ママもう一回読んで!」の声が聞こえてきそうです。そして、ママも きもとももこさんの色使いや元気なかえるくんからパワーもらうこと間違いなしです!

【ゆうだち】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 ・みなみのしまに ゆうだちがやってきました。ヤギがゆうだちにあったのは、ちょうどオオカミの家のまえでした。。。。ずぶぬれになったヤギは親切なオオカミにさそわれて家の中に入ってしまいました!ヤギとオオカミ!と言えば・・・。でもヤギはとんでもない作戦にでました。最後はオオカミが・・・かさもささずに家を飛び出します。なんでかな?

トリニダート・トバコの民話をもとにした絵本。迫力満点の絵と笑い出しちゃうストーリは親子で楽しみたい1冊です。

 

作・絵:あきびんご  ・偕成社

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・最近笑っていないお母さんがいたら、ぜひこの絵本をお子さんと読んでほしいな。そして、ヤギの歌うところを思いっきり大きな声で歌い続けてください。きっと頭がおかしくなって、世の中がわからなくなって・・・最後は子どもとゲラゲラ笑っちゃうよ!♪ゆうだち ゆうだち おかしくなるおかしくなる どいつもこいつも ろくでなしメー!♬(笑)

 


みんなのおすすめコーナー

【しろねこ くろねこ】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、まもなく全国で約1000人の絵本セラピストが誕生すると聞いていますが、私が毎月1名のすでに絵本セラピストとして 活動している仲間に 1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

4回目のゲストは、プロの朗読家でもある絵本セラピストの兎ちゃん(兎ゆうさん)です。

 

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【しろねこ くろねこ】

*絵本の紹介*周囲の言葉によって、自信をなくしてしまったくろねこ。とぼとぼ歩き続けた先に広がっていたのは、一面の花畑。そこで仲良しの しろねこが囁いた言葉により、くろねこは自信を取り戻します。「ぼくは くろねこ」。私たちは、ここにいるだけで素晴らしい。

 

作・絵:きくちちき  ・学研

 

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◆兎ちゃんの紹介◆

 ・朗読家・絵本セラピスト®・日本朗読検定協会プロフェッサー。

谷川俊太郎さん公認カフェ「俊カフェ」で谷川さんの作品を中心とした朗読や解説を行う「絵本と詩の朗読会」を毎月開催。第3回JILA朗読コンクール<詩部門>第3位。国際芸術連盟朗読家会員。北海道アナウンス学院の課程を修了し、司会・MCとしても活動しています。

 

◆兎ちゃんから一言◆

*この絵本は、限られた色使いの絵と選び抜かれたわずかな言葉で、くろねこの心の変化を見事に表現しています。絵本の魅力や奥深さを伝えたいとき、あれこれ言葉を重ねずとも、この絵本を読んでいただくだけでそれらを感じ取っていただくことができる魔法の一冊です。

 

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*めめさんの心のつぶやき*

・兎ちゃんは、私にとってまさに彗星のごとく現れた可愛い絵本セラピストさんでした💛色白でお鼻をぴくぴくしているウサギさんそのものでした。でも見た目とは違って、とってもしっかり者で頭の回転良し、記憶力良し、そして何より勉強家なのでいつも私は刺激を頂いています。これからの日本の朗読界はもとより絵本セラピスト界のリーダーとしても活躍してくれること間違いないと期待しています。7月には、もう一人の絵本セラピスト:あさみんと3人で某絵本作家さんの講演会を開催する予定です。これから色々なことを一緒にしていきたい仲間の一人です!
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