2018年4月の絵本

【おとなりさん】

「ながいながいよる」文:マリオン・デーン・バウアー  絵:テッド・ルウィン  訳:千葉 茂樹

・森の奥には2けんの家が建っています。赤い屋根のおうちには、にわとりが住んでいます。青いうちにはだれも住んでいません。ある日、びっくり!隣りにだれか引っ越してきたようです。ところが、おとなりさんは、なかなか姿をあらわさず・・・。

正体のわからない おとなりさんとのすれちがいが 面白い絵本です。

にわとりさんの「まちます。まちます。まちます。」の繰り返しが可愛くて 耳に残ります。ぜひ、書店や図書館で手に取って読んでみてください。

 

作:きしらまゆこ 絵:高畠 純

 

 https://www.ehonnavi.net/ehon/8908/おとなりさん/

 


*めめさんの心のつぶやき*

・春はお引越しのシーズンですね。おとなりに誰か お引越ししてきたという人もいることでしょう。もしも、いつまでたっても ご挨拶もなければ、顔を合わせることもないとなると 気になりませんか?どんな人が引っ越してきたのか確かめたくなりますよね。あなたなら、どうやっておとなりさんを確かめますか?
さぁ!青いおうちに引っ越してきたのは誰だったのでしょうか?ヒントは、にわとりさんとすれ違いの生活をする鳥の仲間です。絵本を開くと・・・なるほどね!!きっと大人もクスッと笑ってしまう 可笑しさが待っています。
・この絵本の見返しの色がオレンジ色になっています。そのことに目を留めた方が「朝と夜の間の色ですね」と教えてくれました。なんて素敵な気づきでしょうか?絵本作家さんの こだわりや遊び心が垣間見えて、絵本って深いなぁ~と改めて思いました。

【だって春だもん】

おもちのかみさま 札幌在住の絵本作家:かとうまふみ

 

・森に春がやってくる!オタマジャクシもモモンガも、木の芽や、水、動物たち・・・森のみんなが知っている。かならず春がやってくることを。

五感が研ぎ澄まされる 美しい写真は、北海道や東北地方の森で撮影されたそうです。読み終わった後は、身近な春を探しに行きたくなりますよ。

 

写真・文:小寺卓也

 

https://www.ehonnavi.net/ehon/27884/だって春だもん/

 


*めめさんの心のつぶやき*

・北国の遅い春の訪れを思わせるような寒い朝の湖。そこから一枚ずつページをめくっていくと、ゆっくりと春の柔らかな日差しと森の生き物や植物の確かな息づかいが聞こえてきそうな写真が目を捉えます。
・小寺さんの詩的な言葉が さらに優しく想像を掻き立ててくれる この写真絵本は、毎年春になると窓際でゆっくりと手に取って眺めたくなる1冊です。

【あるひ はるがきていました】

【きらきら】写真:吉田六郎 文:谷川俊太郎

 

・ふーこちゃんはある朝めざめると、光のまぶしさに「春がきた!」と感じて飛び起きます。お人形をつれて、お母さんが作ってくれた 花もようのワンピースを着て!

池や庭そここに春がきていて、つくしもたんぽぽもちょうちょもだんごむしも、にこにこ顔です。春って暖かくていい気持ち。みんなが待ちわびていた春の訪れを五感で感じて、今すぐに春を探しに出かけたくなる1冊です。「にーこにこ」のフレーズの繰り返しが心地良く響きます。

 

文・絵:小渕もも

http://www.alicekan.com/books/post_43.html

 

 


*めめさんの心のつぶやき*

・小渕ももさんが描く ふーこちゃんはおかっぱ頭でちょっとレトロ的な感じがして・・・私は懐かしさを感じました。春を待ちわびているのは、人間だけではなくて 植物や生き物たちみんながそわそわ、にこにこして待っているんですね。この絵本を読み終わると同時に 私もつい春を探したくなって うちの小さな庭先に出てみました。すると昨年の秋に父が、丁寧に埋めてくれたチューリップの目が お行儀よく並んで出てきていました。どんなに厳しい冬でも必ず終わり、春はやってきてくれるのですね。こんなところにも春が来ていた!と意外なところで春をみつけると それだけで嬉しくなってしまう。春って特別な季節なのかもしれませんね。あなたはどんなところで春を見つけましたか?

 

お母さんとお子さん向け 3月の絵本

【ようちえんいくのいややー!】

【10ぱんだ】写真:岩合光昭 分:岩合日出子

・今日も誰かが泣いている。「ようちえんいくのいややー。ようちえんいくのいややー!」理由は色々。「えんちょうせんせいにあいさつするのがいややー」「ももぐみやからいややー」でも、本当の理由は???子どもの気持ちを深く理解する長谷川義史さんの実感のこもった絵本!すべての園児への応援歌です。親子で大笑いした後は幼稚園が大好きになる1冊です。ところで、本当の理由は???

 

作・絵:長谷川義史さん

 

 https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494007585

 


*めめさんの心のつぶやき*

・絵本の表紙からすでに伝わってくる「ようちえんいくのいややー!」(笑) 4月、幼稚園・保育園の外まで聞こえてくる子どもたちの泣き声の大合唱は、すごいパワーですよね。あんなに楽しみにしていた幼稚園のバスにも乗りたくない!もも組がいややー!おともだちもいややー!何を言っても「いややー!」子育て経験のあるお母さんたちなら「あるある!」と思わず頷いてしまう朝の光景です。でも、子どもなりに嫌だという 理由がちゃんとあるんですよ。一番の理由は、お母さんと離れたくないんです。。うちの子どもたちは二人とも・・・幼稚園バスに乗って「いってきま~す!(@^^)/~~~」とニッコリ手を振り 一度も泣くことなく通いました。なので、「ようちえんいややー!」と泣き叫ぶお子さんは、思い出がひとつ増えるわけですね。いいなぁ~♡ 新入園児のお子さんと一緒に幼稚園・保育園時代を楽しんでくださいね(#^.^#)

【だいじょうぶ だいじょうぶ】

【ペンギンがとぶ】ひだのかな代

 

 ・ぼくがいまより ずっと赤ちゃんにちかく おじいちゃんがいまより ずっと元気だったころ、おじいちゃんとぼくは毎日のように おさんぽを 楽しんでいました。毎日が新しい出会いと発見でした。でも大きくなるにつれて ぼくの世界はどんどん広がり、困ったことや怖いことにも出会うようになり、このまま大きくなれそうにないと 思える時もありました。。。そんな時、おじいちゃんが僕の手を握り「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とおまじないのようにつぶやくのでした。

 

そして、ぼくがずいぶん大きくなった時、おじいちゃんはずいぶん年をとりました。だから今度は・・・ぼくのばんです。「だいじょうぶ、だいじょうぶ」「だいじょうぶだよ、おじいちゃん」 

 

・幼い頃おじいちゃんと過ごした かけがえのない時間が、作者のいとうひろしさんの心の糧になっていて、敢えておじいちゃんの老いまで描くことで、読んだ人に生きていくうえで大切なことを 深く気づかせてくているのかもしれません。

 

作・絵:いとうひろし

 https://www.ehonnavi.net/ehon/2013/%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%B6%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%B6/


*めめさんの心のつぶやき*

・4月は、子どもも大人も環境が変わる人が 多いのではないでしょうか?どきどき・わくわくその反面、逃げ出したくなるような時もあります。そんな時に自分にかける おまじないの言葉はありますか?きっと、絵本のぼくは ずっとおじいちゃんの手の温もりと一緒に「だいじょうぶ、だいじょうぶ」っておまじないの言葉を自分にをかけて 大きくなったのかもしれませんね。小さいうちに身近な大人が しっかり寄り添うことの大切さも私に感じさせてくれた1冊です。

・この春、幼稚園や小学校に上がった子どもたちとそのお母さんに読んでほしい絵本です。

【うしろにいるのだあれ】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 ・あっ!かめくん、かめくんのうしろにいるのだあれ?あっ!ぞうさん、ぞうさんのまえにいるのだあれ?とりさん!あっとりさんのうえにいるのだあれ?

 

・画面に描かれているヒントの絵を見ながら 動物の名前を当てっこ遊びをしながらページをめくる楽しい絵本です。絵も大きくてとても見やすいです。1歳から読んであげられる絵本です。

 

・子どもたちに人気の動物を通して「誰もが見守られている」という温かいメッセージを伝えられる絵本です。

 

 作・絵:ふくだとしお・あきこ

 

https://www.ehonnavi.net/ehon00_opinion.asp?no=3866


*めめさんの心のつぶやき*

・子どもたちが大好きな動物たちが 大きくはっきりと描かれているので、私はよく親子のイベントの時に使うことが多いのですが、今年札幌市内の保育園の職員研修で使ってみました。研修のテーマは「チームビルディング」でした。

子どもたちほど 大きな声は聞こえてはきませんが、先生たちと動物の名前を当てっこしながらページを進めます。この絵本の最後のページは、その場所からズームアウトして 全体が見える場面になります。

中心にいたボク(犬)の上下前後にはたくさんの動物がいて「みんなちかくにいたんだんだね」という言葉で結ばれています。大人も一人では生きていません。職場なら尚のこと 横のつながり縦のつながりが大切になってきます。

この絵本を参考にして 先生方一人一人に 自分の職場での立ち位置や日頃の人間関係を図式化してもらうことで 自然と周りの人への感謝が生れたようです。絵本は、見る人の立場や考え方で 幾通りでも解釈ができるので面白いです。

みんなのおすすめコーナー

【春はあけぼの】

【おかあさんはね】文: エイミー・クラウス・ローゼンタール 絵: トム・リヒテンヘルド 訳: 高橋久美子

 3月から「みんなのおすすめコーナー」を作りました!このコーナーでは、まもなく全国で約1000人の絵本セラピストが誕生すると聞いていますが、私が毎月1名のすでに絵本セラピストとして 活動している仲間に 1冊のお勧めの絵本を紹介してもらっています(#^.^#)

 

2回目のゲストは、秋田県の絵本セラピスト:かなちゃん(木村加奈子さん)です。

 

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【声にだすことばえほん 春はあけぼの】

春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて・・・・。四季の美しさをみごとに表現した清少納言の名文が 美しい絵本になりました。声に出して読むと楽しさが倍増します。中学校の教科書に載っているそうです。絵がとても可愛いので、古文が苦手な人も入り込みやすいと思います。平安時代の人も現代の人も、美しさへの感性は普遍のもので、それを声に出すことで、より深まります。

 

 https://www.ehonnavi.net/ehon/9278/%E6%98%A5%E3%81%AF%E3%81%82%E3%81%91%E3%81%BC%E3%81%AE/

 

 


◆かなちゃんの紹介◆

 かなちゃんは元、中学校教諭。昨年まで日本最北端の北海道稚内市に住んでいました。ご主人の勤務先が変わり、現在は秋田県にお住まいで、ご自分のお子さんの学校や地域の方々に 絵本セラピーを開催しています。

 

◆かなちゃんから一言◆

*私の中では、【春】はスタート!時間でいうと、あけぼの(明け方)・朝。最初の一歩はドキドキするものです。それでもスタートを切る時のわくわくがあるのも事実。朝は1日のスタート。春は1年のスタート。お正月よりも4月の方が、そんな気持ちになります。


・「春は~」からスタートするこの絵本は、大人の方にも子どもたちにも、季節によって変化する美しい景色を楽しんでもらいたいです。


*めめさんの心のつぶやき*

・かなちゃんは、稚内市に在住の時に 札幌まで車で4時間以上かけて通い、 絵本セラピストの資格を取得されました。昨年の秋には、絵本の勉強会にどうしても参加したくて、秋田から札幌の日帰りツアーを成し遂げるという バイタリティー溢れる女性です。

・彼女は、好奇心旺盛というより 向上心・向学心が旺盛なチャレンジャーです。これからは、東北地方の絵本セラピストの仲間たちと 連携を取りながら 活動の場を広げていくそうです。
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